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人体解剖実習 1

 
 昨日、パリ・デカルト大学(パリ第5大学)で解剖実習に参加した。

 
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 今回は、私にとって初めての解剖実習。人間の身体を解剖するとい

 行為に、多少の恐怖もあり、直視できるか、冷静でいられるかなどの

 不安を抱えて臨んだ。周囲の人は、毎年何人か失神するとか、薬品の

 刺激臭に気分が悪くなるなどの体験談を語っていた。なので、私の中

 でも、勝手に想像が広がり、霊安室のような薄暗く、冷たい部屋で実

 習を行うイメージができていた。

 実際に実習を受けたのは、大学の建物の最上階。窓もあり、太陽の光

 が充分に入る明るい部屋。しかも、サンジェルマンに位置するこの大

 学の眺めはとても贅沢。エッフェル塔も見える。

 
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  解剖室の窓より。 

 今回の実習は、胸部と上腕を解剖する。

 午前中と午後の2つのグループに分かれて、各グループが4時間実習を

 受ける。各自準備をして、実習室へ。

 
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 室内には、ブルーのペーパシーツで全身を覆って、片腕のみを露出し

 た遺体が2体。腕の感じから、明らかに片方が女性で、もう片方が

 男性だとわかった。女性の方は、すでに頭部を切断されていた。

 まずは、担当の講師から確認する筋肉・神経・動脈・静脈の説明。
 
 いよいよ解剖へ。実際に解剖を行うのは2名の講師。2体の解剖を

 同時に進行。

 
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 私達は2つのグループに分かれて、観察。

 最初のメスを入れるときは、息を呑んで観察していたが、1時間も

 するとだんだん慣れて、冷静に見れるようになった。遺体からは

 70-80cmの距離で観察していたが、臭いも特に気にならなか

 った。耳にしたのは内臓を解剖した時の経験だったのかも。観察

 に入って、男性の遺体は、かなり体格がよく、筋肉にも張りがあり

 神経などはギターの弦の様に弾力と張りがあった。一方、女性の

 方は年配の方らしく筋肉の張りや、脂肪層など対照的だった。

 実際に解剖の教科書に掲載されているのは、一つの例で、人間の

 身体の詳細には個人差があるのを実感した。


 解剖実習に参加するにあたっては、いろいろ考えることもあった。

 オステオパシーは、わかりやすく言えば、整体の一種。手術をする

 こともなければ、注射をうったり化学的な処置をすることもない。

 映像も発達ているので、ビデオなどで体内を観察することもでき

 る。果たして、本当に解剖実習する必要があるのか。しかし、実際

 にこの実習を終えてやはり、本物を見ることの大切さを実感した。


 でも、いつか自分の身体の機能が止まったとき、この人たちのよう

 に自分の身体を提供できるのか。友達に話したら、”死んじゃった

 ら、ただの肉の塊だよ。使ってもらっていいんじゃないか。”

 

 
by miyucat910 | 2010-10-28 23:55 | 学校生活